10月24日(土)は梅の里自然農塾の日でした。
当日は土曜日(都会と違って田舎では平日)ということもあり、参加者は私を含む2名のみ。
自然農の田んぼでは赤米2種・黒米・緑米・キヌヒカリ・ハッピーヒルが育てられています。
本日は赤米とキヌヒカリの稲刈りです。
▼先ずは赤米の稲刈りから。
ノコギリ鎌で刈り取って行きます。
参加人数も少ないのでほとんどは稲刈り機(バインダー)で刈り取りました。
稲を刈ったら束ねます。
▼これは昨年の自然農塾で教えて頂いた時の動画。
完璧に覚えたと思ったのに・・・間違って覚えていました。
最後が穂先(細い方)に稲の切り口(太い方)を巻きつけるのですが、その逆で行っていました。
私の記憶なんて本当にいい加減です。^^;
やはり1回通うだけではダメですね。
何よりも大事なのは「なぜそのようにするのか?」です。
何をするにも理にかなっていなければ100%の納得ができません。
稲を束ねたらお次は天日干しのための稲架を組みます。
稲架組みは地域によって本当に様々。
稲架を何段にも組んで高く高く稲を掛ける地域。
また、稲架を使わずに「にゅう」と呼ばれる稲の山を作って天日に干す地域。
大型台風が直撃する恐れのある太平洋沿岸部では1段に組んだ稲架が基本です。
▼これは私の地域で一般的に行われている稲架組みの方法。
近所の農家さんに教わったものです。
太い稲木の両端は3本の足で支え、その間には2本の足を入れて支えています。
私はこの組み方が本当に疑問であり、納得いかなかったのです。
何故に3本と2本なのだろうか?
理屈で言えば全部3本の方が強いじゃないか!?
と、思うのです。
▼3本足の組み方はこんな感じ。
ナイロン製のマイカー線などで縛られています。
稲木が3本の足に乗っかるように組むのがポイントと教わりました。
それが結構至難の技です。
そして、強い風が吹けばしょっちゅう倒れます。
と、こんな方法を周辺地機のベテラン農家さんは疑うこともなく昔から行われ定着しています。
そして、梅の里自然農塾で本当の1段組みの稲架の組み方を教わりました。
▼これも昨年撮影した動画です。
これを見ると何故に稲木の両端は3本にしているのかがわかります。
▼今年はこんな杭打ちアイテムを使います。
通常は掛矢やハンマーでもいいのでしょうけど、赤米はとても草丈も高いので稲架も高く組みます。
そういう時にはこのアイテムは本当に便利。
人がコンテナなどに乗って打つより確実に効率的で安全です。
▼組み上がりました。
荒縄で縛るところがポイント。
マイカー線と違って滑らずしばれます。
▼稲木の両端の3本足はこんな感じ。
近隣の農家さんが組んでいる3本足と随分と違います。
これにはとても深い意味があり、理にかなっています。
▼わかりやすく上から見た図を描いてみました。
稲木に稲束を掛けるととんでもない重さがのしかかります。
その重さは足にかかります。
このように組むと足が倒れようとする方向が分散されます。
そして、最後に2本足に付け加えた1本の足で支えるという計算です。
これが本来の方法。
今現在行われている方法は昔だれかがどこかで倒れない稲架を見て、
3本と2本の組み合わせを形だけ真似したのだと感じます。
▼組み上がった赤米用のかなり高い稲架。
150cm以上あります。
▼稲束のかけ方。
これも計算されたかけ方です。
ただ稲束をまっぷたつに割って掛けるのではなく、
このように3対2の割合で太さを変えて向きを計算して掛けると少ないスペースにたくさん掛ける事ができます。
そして、稲が乾燥してきても地面に稲穂が滑り落ちる事も少なくなります。
乾きはゆっくりになるので早生品種を気温が高い時期に稲架掛けした場合、
大雨が続くと品種によっては穂発芽の危険性もあるかもです。
昔の稲刈りは現在よりももっと遅い時期でしたのでこの方法は特に有効だったのだと思います。
極早生品種を真夏に干す場合は一工夫するといいかもですね。
▼さて、赤米を稲架掛けします。
稲が長い!稲架が高い!確実にチビの部類に入る私にはかなりしんどい・・・orz
▼でも、私よりも背の低い人でも掛ける事ができていました。
主婦さんは物干し竿とかに布団とかを掛けるのでこういうのに慣れているのかな?^^
これにて赤米の稲刈り~稲架組み~稲架掛け授業は終わりです。
▼その後は自然農の野菜畑を見学しました。
みんな元気に育っています。
葉物野菜の色は透き通るような薄い緑。
小さくても健康そうに育っていました。
今年、稲作後に田んぼから作り変えた私の砂漠畑と違ってとっても自然。
人間の目には見えない草の根や土の中の微生物によって作り出される健康な土に育つ野菜はきっと美味しいはず。
さて、お昼からはとてもいい経験をさせて頂く事になります、
★午後の部★
午後からはとても考えさせられてしまう場面に遭遇しました。
こちらでも不耕起の自然農の稲作でキヌヒカリが栽培されています。
通常ならこのまま稲刈りを始められるのですが、そうはいかないんです。
それはなぜなら、昨年ここで栽培していた赤米の種が落ちて自然に発芽して育っているからです。
▼こんな感じにキヌヒカリの中に大量の赤米が・・・
まずはこれを鎌で刈り取ります。
▼見た目5畝程のキヌヒカリの田んぼに赤米がこんなに混じっていました。
これは草丈も色も違う赤米だからこそ判別できますが、同じ草丈、同じ色の稲なら全くわかりません。
毎年種もみを買い変えている人には何の問題もありませんが、自家採種している人には大きな問題。
種もみを採ろうとする圃場での管理は本当に念入りにしないとうっかり別の品種が混じってしまうかも。
とてもいい勉強になりました。
▼赤米を収穫してバインダーでキヌヒカリを刈ります。
今回の梅の里自然農塾では新しい発見も幾つかありました。
昨年の復習もできて自分の記憶違いに気づくことができました。
今回もとても勉強になりました。
勇惣塾頭、本当にありがとうございました。
私も爺いになった頃には若者に昔ながらの自然な農を教えられる様になっていたいです。
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自然農塾での復習作業で気づく自分の勘違い。
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