丸々と肥えたヒラソウダが釣れました。
ソウダガツオの中にはマルソウダとヒラソウダがあり、生食するには断然ヒラソウダが美味しい。
ソウダ節に使われるのは脂が乗っていなくて血合いの多いマルソウダ。
漢字で書くと宗太鰹と書かれる場合が多いのですが、なぜそんな字を書くのか?
調べてみると実は宗太ではなく騒多鰹とも書かれるそうです。
群れで小魚を捕食する際に水面が騒々しくなるからだそうですが、それは他の鰹・青物も同じかと。
この世に存在する名前の由来は本当に謎だらけ。
▼ヒラソウダの味の良さは格別ですが、それはこの脂のノリ。
トロのように広範囲にサシが入っているわけではないですが、皮下に溜まっているこの脂が超美味。
しかし、ヤイトガツオ(標準和名でスマ)はさらに美味。
最近釣れてくれません。
ヒラソウダにしてもヤイトガツオにしても本鰹と違うのは「食味の当たり外れ」がないこと。
だからいつもは迷わず刺身にしていただいています。
▼刺身があまったらどっさりニンニクと生姜を効かせて漬け丼に♪
これがまた美味しくてたまりません。
さて、釣ったヒラソウダをいただくとします。
先日は刺身と漬け丼でいただきましたので、今回はタタキにします。
カツオのタタキは本来は麦わらで焼きます。
カツオがよく水揚げされる時期に麦の収穫があるから麦わらを使うのではなく、
稲わらに比べて硬くて中空形状が多く、一気に燃え上がるから。
とにかくタタキは遠赤外線の少ない炎で一気に短時間で焼くこと。
▼と言う事で、自家製の麦わらを使ってタタキを作ります。
麦わらはいろんなところで役に立ちます。
ヒラソウダを節にして血合いを少し残して塩を振ってしばらくなじませ金串を皮と身の境目に。
▼麦わらに着火すると一気に炎が燃え上がります。
皮を下にして炎の中に入れ、重点的に皮を焼いて身がうっすらと白くなったら出来上がり。
ひっくり返さず、あくまでも皮目だけこんがり焼く事が自分流のタタキの決め手。
表面全体が完全に白くなるまで加熱するとせっかくの食感が台無しになりますからね。
ガスの炎でもできるけど、ガスにはガス漏れ対策の匂いがつけてあります。
それを直火でとびきりの食材に吹き付けるのも問題です。
焼けた麦わらの香りはカツオにいいアクセントを加えてくれます。
▼氷水につけて一気に熱を取り除き水気を拭き取り概ね完成♪
脂が美味しいソウダガツオの脂を落としてしまうような調理法ですが、
これはこれで美味しい♪
▼食べる直前に切って薬味をこれでもかというくらいてんこ盛りにする。
大葉、ニンニク、生姜は必須。
大根おろし、玉ねぎ、青ネギ、みょうが、七味唐辛子などを適当に盛って、ポン酢をかけて。
▼さて、いただきます♪
いい感じの火の通り方♪
皮は焦げ目が付いてても身の表面はわずかに白くて、ほとんど生。
香ばしい香りがなんとも言えません。
生臭い味は全くしない上に塩を振って焼いていますのでこのまま薬味と一緒にいただけます。
ポン酢を使うなら塩味が強すぎない香りの蔵♪
▼うまい♪うますぎます♪
しかも全然飽きない味。
茶碗に3杯おかわりしてしまいました。
この世の中にこんなに手軽に手に入る美味しい食べ物が他にあるだろうか♪
真剣にそう思ってしまうヒラソウダの麦わら焼きのタタキでした。
手軽に・・・といっても、倒れる思いで米を作り、頑張って玉ねぎを作り・・・
さらに麦を育て、天日に干して脱穀し、かなりの手間暇がかかっていますけどね。^^