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陸苗代で育った苗は倒伏に強い!

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稲刈り前だというのに毎日まとまった雨が降っています。

一日中雨ではありませんが、一日のどこかで大雨が降ります。

稲は雨の重さで倒れそうになり、雨が止み、稲穂が乾くと少しだけ起き上がります。

それの繰り返しですが、部分的にかなり傾いて水面に稲穂がついてしまっています。

水はもう入れていないし、落水口も開放したまま・・・それでも水が抜けきりません。

このままでは稲刈りはもう少し先になりそうです。^^;





さて、この田んぼには3種類の苗を植えています。

陸苗代で育てた苗と、水苗代で育てた苗、そして育苗箱で育てた苗です。

陸苗代の苗はいわゆる畑に種をまいて育てた苗で、干ばつに強く病気にも強いと言われています。

水苗代の苗は水田に種をまいて育てた苗。

育苗箱の苗は通常の何倍も少ない量(濡れた種モミで1箱40~50g)を播いています。

それを1枚の水田に植えて違いを見てみようという、素人ならではの実験的栽培です。

育苗と田植えの手間は同じ手植え苗でも全く違い、陸苗代の苗は苗取り~選別まで本当に大変。

水苗代は雑草もなく、抜くのも簡単。

育苗箱の苗は水管理さえできていればさほど手間もかかりませんし、

手植えの前に育苗箱から1本1本苗を捌くのもかなり楽チンです。


田植えから今までの生育の具合を見てきましたが、見た目の生育にはほとんど違いは感じられませんでした。

しかし、この状態になり、今まで見えていなかったものが見えてきました。

冒頭の写真の右から8条は陸苗代の苗の稲です。

まったく倒伏の兆しがありません。


▼違う角度から見ても境目がくっきり見えています。


倒伏にも大まかに3種類あるとされていて、

挫折型倒伏
稈の基部が折れて倒れる形の倒伏をいう。この 倒伏では受光態勢が極端に悪化し、通導障害によ る蒸散機能の低下及び養分の移行阻害による登熟 不良が起こり減収する。また、穂発芽など品質の 低下も著しい。

湾曲型倒伏
稈は折れないが全体に湾曲、傾斜し、穂が地面 につくようになる形の倒伏をいう。この倒伏は一 般に登熟がかなり進んだ登熟後期に起こるため、 挫折型倒伏に比べて被害は軽微なことが多い。

転び型倒伏
直播栽培などでしばしばみられ、根が浅いため株全体が地際から倒れる形の倒伏をいう。こ の倒伏による被害は、湾曲型と同程度と考えられる。



うちの圃場での今回のケースは「湾曲型倒伏」に該当すると思われます。

が、陸苗代で育てた苗は全く倒れていません。

この圃場だけでなく・・・


▼陸苗代の苗だけを植えた水田の稲もシャキンとしています。


無肥料栽培の圃場で、田んぼの中干しもしていないので土もまだトロトロに近いです。

光の具合で色が薄く、まだ実っていないように思えますが、


▼実際はこんな感じの稲穂で、随分と登熟が進んでいます。


穂の長さも米ぬか・菜種粕を与えた有機肥料栽培の稲と全く変わりありません。


▼稈長は有機栽培の稲に比べて若干短いように感じますが、ほとんど変わりません。


人間は「三つ子の魂、百まで」といわれますが、稲も同じことがいえるのでしょうか?

苗代に生える雑草はこまめに抜いたものの、乾燥がひどく過酷な環境で育った陸苗代の稲と、

苗にとって居心地の良さそうな育苗箱で育った苗の違いがここに来て初めて顕著に出始めました。

苦労して陸苗代で育て、手間暇かけ選別し、何日かかけて植えた苦労は無駄ではなかったということですね。

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